12 緑茶(日本茶)の種類と特徴
茶畑に黒い布がかぶっている?
四日市市や鈴鹿市などでは、4月下旬から5月初旬ごろの茶摘みの季節になると、茶畑一面に黒い布をかぶせているのを見たことがありますか。
黒い布(寒冷紗という)をかぶせるのは玉露やかぶせ茶など高級のお茶を作るときの栽培方法の一つです。
さて、緑茶は製茶のとき茶葉を蒸気で蒸して発酵を進める酵素の働きを止めるので緑色のお茶が出来るといいましたが、この様に茶葉を蒸してから製茶する方法は日本独特のものです。したがって緑茶のことを日本茶ともいっています。
緑茶(日本茶)の種類と特徴
〇煎茶
茶葉を蒸して揉んで乾燥させたお茶で、一般に飲まれているお茶の70%以上は煎茶です。甘みと渋みが調和した旨味と清涼感(さっぱり感)を特徴とします。全国各地で生産されています。
〇深蒸し煎茶
製茶における茶葉を蒸す行程で、蒸す時間を長くすることで、茶葉の組織が壊れ茶葉に含まれる成分の浸出が進み、深い旨味を特徴とするお茶です。三重県松阪市や静岡県掛川市などで生産されています。
〇玉露
4〜5月のお茶の新芽の時期に茶園に棚を作り、わらや黒い布を1ヶ月ほど掛けて太陽をさえぎると、茶葉に含まれる甘み成分であるテアニンというアミノ酸が増えて、渋みが少なく甘みの強いお茶ができます。京都府宇治市や福岡県八女市は玉露の産地として有名です。
〇かぶせ茶
玉露のように新芽の時期に茶園に黒い布を掛けるが、布を掛ける期間を2週間程度にすると、玉露と煎茶の中間程度のまろやかな味のお茶ができます。かぶせ茶の主産地は三重県四日市市・鈴鹿市で、全国のかぶせ茶生産量の80%以上を生産しています。
4月の終わりから5月のはじめ頃に、四日市市や鈴鹿市など鈴鹿山麓のお茶の産地では茶畑一面に黒い布をかぶせています。一度見に行ってください。
〇番茶
5月頃に摘む1番茶、6月頃に摘む2番茶、8月頃に摘む3番茶を本茶といっていますが、この本茶の収穫後に残った茶葉を古茶と共に製茶したお茶を番茶といいます。三重県では6月頃の2番茶の収穫後に伸びた茶葉を10月頃に刈り取り製茶するので「秋番茶」といっています。
番茶は夏の暑い時期に伸びた茶葉を利用するので硬く軸などがたくさん混じったお茶で、本茶に比べれば味や香りは劣りますが、渋みが少なくあっさりした飲みやすいお茶といえます。なお、番茶とは本茶の番外茶という意味です。
〇抹茶
抹茶は玉露と同じように茶畑に棚を作り藁や黒い布をかぶせた茶樹から摘んだ茶葉を蒸して作りますが、他のお茶の様に揉まずに乾燥させた茶葉を石臼などで挽いて粉にしたお茶です。蒸した茶葉を揉まずに乾燥させた状態を「碾茶(てんちゃ)」といいます。
高級な抹茶は茶道などで使われ、下級の抹茶はお菓子の材料などに使われています。碾茶の産地は愛知県西尾市や京都府宇治市が有名です。
〇蒸製玉緑茶
製茶の行程で精揉(茶の形状を長く伸ばし形をととのえる工程)を省略して製茶したお茶で、勾玉状または丸状の形をしたお茶です。ツヤのある外観と香りのあるまろやかな味を特徴とします。九州の佐賀県や熊本県で作られています。
〇カリガネ茶(茎茶ともいう)
製茶に混じっているお茶の軸だけを取り出し乾燥させたもので、製茶の副産物といえます。お茶の葉柄や軸などにはたくさんの成分が含まれていますが、さっぱりとした味のお茶となります。
〇ほうじ茶
煎茶や番茶などを火で焙じたお茶で、色は褐色になりますがさっぱりとした香ばしいお茶です。
〇玄米茶
煎茶や番茶などに炒った玄米を入れたお茶で、玄米の香ばしい味が楽しめます。
お茶の湯の表面に、ほこりの様なものが浮いている(毛茸)
お茶を急須で出したときよく見るとお茶の湯の表面にほこりの様なものが浮いていることがあります。これをほこりと思って捨てる人もある様ですが、これはほこりではありません。5月初旬のその年の一番早く摘む新芽には産毛の様なものが新芽の軸に付いていますが、これがお湯ではがれてお茶の表面に浮きます。これを「毛茸(もうじょ)」といいます。
出されたお茶の湯の表面にほこりの様なものが浮いておれば、高級なお茶の証拠ですので、「良いお茶ですね」とほめるとよいですね。
その他、お茶の名前が付いた飲み物はたくさんありますが、中には茶葉を全く使用していないものもあります。これらは本当の意味ではお茶ではありませんね。
















