4 江戸時代、伊勢国はお茶の大産地で、「伊勢茶」として伊勢商人の手で江戸をはじめ東北地方まで販売されていた

「茶説集成」という書物に「江戸時代の元禄〜宝永年間(1688〜1711)には伊勢茶は伊勢商人の手で、江戸(現在の東京)をはじめ、東北地方で販売された」と書いてあります。

伊勢商人とは、現在の松阪市を中心に活躍した商人の集団で、慶長8年(1603)に徳川家康が江戸に幕府を開くと、いち早く江戸に進出し、大店(支店)を構え、木綿や伊勢白粉、伊勢茶など伊勢の産物を江戸に送り、江戸を拠点に東北地方まで運び販売しました。

また、伊勢商人(主に射和・相可商人)は、今の福井県の敦賀まで伊勢茶を運び、敦賀湊から船で日本海沿岸の山形や秋田などで伊勢茶を販売した記録が残されています。

当時、伊勢商人が販売したお茶は、現在の松阪市や多気郡、度会郡など南勢地方のお茶が中心であったようです。

宇治茶で有名な京都の宇治市は、江戸時代から茶商人の町として栄え、主に北勢地方(四日市市や鈴鹿市など)のお茶は、近江商人(滋賀県の商人)によって山城宇治に運び、宇治茶として販売されました。

従って、当時は、同じ伊勢国で作られたお茶でも、伊勢商人が扱ったお茶は伊勢茶、近江商人が扱ったお茶は宇治茶として売られていたようです。

伊勢商人とは:松阪市を流れる櫛田川下流に古くから活躍した商人(射和・相可商人)と1588年松坂開府に伴い誕生した松坂商人を中心に、津市などの商人を加えた商人集団。江戸時代に江戸に進出し、現在の東京日本橋付近に大店を構え、江戸を拠点に東北地方まで伊勢の産物を販売した。主に扱った商品は木綿・紙・伊勢茶・伊勢白粉などであったといわれている。

近江商人とは:近江国(滋賀県)、今の東近江市や蒲生郡、高島郡などを拠点とした商人集団で、主に京都を中心に活躍し、滋賀県や三重県の北勢地方の産物を多く扱った。江戸の初期には近江商人、大阪商人、伊勢商人を日本三大商人と呼ばれていた。

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